グランピングプロデュース費が3000万円!?法外すぎる企画提案には注意が必要

最近、グランピング施設のプロデュースについてのご相談をいただく機会が増えてきました。

その中で、特に目立ってきたのが、開発計画の見直し案件です。

グランピングが盛り上がるのは喜ばしいことなのですが、プロデュース会社をめぐるトラブルが増えている事実は心配な傾向です。

 

実際、ここ1か月(2019年10月)だけでも3件のご相談がありました。

「グランピングのプロデュース業者に相談しているが、イニシャルコストが過大と感じしている。うまくいくか不安だ。計画を見直したいので、相談に乗ってほしい。」という類のご相談です。

 

グランピング業界の成長には、まだまだ施設数が足りず、多様なグランピング施設の登場が待たれるところですが、運営者の事業性が成立しないところで業界の成長はあり得ません。

このようなプロデュース事業者もグランピング業界の発展や地方創生を謳っているのでしょうが、無謀すぎる投資をあおり、さらには法外なプロデュース料やコンサルフィーを得ようとする姿勢は業界の健全な成長を害する行為と、疑問や不信感を禁じえません。

 

キャンプ場のリノベーション案件で8億円の投資、数千万円のプロデュース費は妥当?

最近いただいたご相談の事例。キャンプ場をグランピング施設に再生するプロジェクトで総投資額8億円以上。開業後の販促費は年間たったの1,000万円。

「この計画、大丈夫?」と聞いた瞬間から思わざるを得ない案件です。

実際のところ、実現に向けて進められる計画なのか?

結論からいえば、経営がいきづまった過去があるキャンプ場にかける投資としては過大であり、かなりリスキーなものでした。

そもそも再生案件というのは、集客にハンデがあるロケーションだから、再生案件になるわけで、そこをよく考えなくてはいけません。

この案件でのグランピングプロデュース業者の見積りによると、開発プロデュース費が3,000万円。グランピング施設の開業後も運営者の利益から数%のプロデュース料を徴収するという驚きの内容でした。爪を伸ばしすぎでは?と思わずにいられません。

さらには開発プロデュース費とは別にインテリアコーディネートや飲食メニュー企画、運営マニュアルなどに数千万円。

3,000万円もプロデュース費を要求するのであれば、インテリアの選定や飲食メニュー開発などは、当然プロデュース費に含めるべきものと感じる方も多いのではないでしょうか。

家具・テント・備品もプロデュース事業者の提携事業者から購入する前提になっており、「この案件で一体いくら儲けるつもりなんだ!」と突っ込みたくなる内容です。最悪の場合では、プロデュース会社が提携事業者の代理店になっており、販売手数料が入る仕組みかもしれません。ここまでやっていたら悪徳事業者レベルです。

 

あなたが契約したプロデュース業者はグランピング事業を本当に理解していますか?

例のキャンプ場再生案件の収支計画をみてみると、ここにも突っ込みたくなる内容がいたるところに。

 

例えば、グランピング施設の最も大切な収入源である宿泊売上。

年中、宿泊単価が変化しない前提となっており、稼働率だけを調整した大雑把な計画が組まれていました。

このような事業計画では、オフシーズンには大幅な計画未達が生じてしまうため、厳しい収支となってしまうでしょう。実際の現場ではありえない前提で、シミュレーションが組まれていました。

8月などハイシーズンや週末の宿泊単価は高く設定し、そうでないオフシーズンは単価を低めに設定するのが宿泊業の基本です。いくら開業数が少ないグランピング施設といえども、競合施設は少なからず存在します。コテージやホテル、温泉旅館との競争もあります。

このプロデュース業者が競合グランピング施設を入念に調査し、集客のための戦略や戦術をアドバイスできるのか?という点では、疑念が生じざるを得ません。

 

1億円の料飲売上は単体のグランピング施設で可能だろうか?

さらにもう一つ。日帰りBBQや飲料売上の年商計画が約1億円。

地方の飲食店舗で1億円の年商をクリアできているのは、丸亀製麺や回転寿司チェーンくらいのものです。それくらい飲食店舗にとっては1億円の大台はハードルの高い数字なのです。

通年営業も難しい、奥深い山の中のキャンプ場では、実現可能性は限りなくゼロに等しく、絵にかいた餅状態になってしまうでしょう。

ちなみに、日帰りBBQで億単位の売上ができる可能性があるのはネスタリゾートのようなテーマパーク志向の年間来場者数が数百万人単位の総合型施設か、ワイルドマジック豊洲のようなアクセス利便性に優れた大都市周辺の巨大なBBQ施設だけだと思います。

これらの施設には、数十人単位のグループ利用や、グランピング施設ではみかけないシニア層など幅広い客層が訪れるため、1億を超える売上が可能なのです。

団体行動にハードルが高い都市部から100㎞以上離れた場所では難しいと言わざるをえません。

 

“田舎”の日帰りBBQやグランピング施設のBAR売上は大した数字にならない

このような絵にかいた餅のような売上計画の背景には、プロデュース業者が荒稼ぎをするために初期投資を過大に計画してしまっていることもありますが、プロデュース業者自体のグランピング施設の運営経験が乏しいことも考えられます。

その危惧は飲料売上などの数字などからも見て取れます。

宿泊者に飲料をアップセルするというのは殊の外難しいテーマです。

人気リゾートホテルでも、BARはどこも閑散としています。グランピングの主要顧客のファミリー層や女性グループにはBARのニーズは、ほぼ存在しません。30室ほどのグランピング施設では、宿泊客の数も限られているため、数値目標達成はかなり難しいでしょう。

また、料飲売上で1億円クラスの売上を確保するためには、それなりの客数が必要です。店舗前の通行客が立ち寄ってくれる立地ならいざ知らず、山の中のキャンプ場で年間1,000万円程度のマーケティング予算で実現するのは神業の領域です。

ちなみに最需要期の8月の飲食の売上予算はなんと3,000万円でした。その無謀な売上予算のために過大な投資計画が組まれており、もし計画を実行していれば、運営事業者の経営自体が傾くほどのリスクになっていたことでしょう。

兵庫県三木市のネスタリゾート神戸はテレビCMを大量に流し、番組スポンサーにも名を連ねるなど、開業後の集客に巨額の投資をしています。その甲斐もあって数年で話題のスポットへと急成長しました。

神戸市や大阪市から車で1時間圏内というロケーションにくわえ、バス会社との提携、オフシーズンにも大規模なイルミネーションや各種イベントを実施するなど、多様な来場手段の確保や年間通してのコンテンツ開発に意欲的、継続的に取り組んでいます。

これだけの予算規模を投下し、総合リゾートを志向する企業であれば、リスクをとってもよいのかもしれません。

 

グランピング施設プロデュースには法令・規制への幅広い知見が必要

グランピング施設の開発には、様々な法令が関係し、イニシャルコストや開業時期を大きく変動させる要素となります。

既存の人気施設の画像をホームページからコピーして切り貼りしただけの事業計画では、計画どおりに開発が進む可能性は低いでしょう。

広大な敷地を必要とするグランピング施設では開発許可申請、自然公園法、自治体独自の景観条例、水質汚濁防止法、土木事務所、消防署、保健所との協議などの対応が必要となります。開発フェーズに合わせて、協議が必要なタイミングや順番も変化するため、コストを抑えながら各種規制をクリアするためには、幅広い専門知識と柔軟性が問われます。

プロデュース業者の中には行政機関との調整は運営者に丸投げといったスタンスの事業者もあり、実際にトラブルになっている事例も最近は目につくようになりました。

真に力のあるグランピングプロデュース事業者かを見極めるためには、実績(開発実績はもちろん、その後の事業の運営状況も含めて)を確認するしかありません。

自分たちが関わっていないグランピング施設の情報をあたかも開発に関わったように語る事業者も存在しますので、慎重にヒアリングしてください。

開発事例が少ない事業者や物売りだけの販売代理業者・メーカーは、法律対応や規制に対する知見が少なく、トラブルに巻き込まれるリスクを織り込んでおく必要があります。

 

設備工事予算を意識したゾーニングが組めないとハイリスクな計画になりがち

不動産物件のポテンシャルに合わせて宿泊施設の仕様や管理棟の計画ができるプロデュース業者を選ぶことが、グランピング事業成功の第一歩といえます。

我々がグランピング施設の開発に向いた不動産かチェックする際も、このポイントは特に重視します。キャンプ場の再生案件であれば、管理棟の有無と浄化槽のメンテナンス状況、開発許可申請の必要性(開発面積に対する知見が必要)が特に重要です。

グランピングの場合は、自然が豊かな地方で事業を企画する前提がほとんどです。

そのようなロケーションでは、多くの場合、下水処理は浄化槽整備を選択することになりますが、規模の大きい浄化槽を新規に設置する場合は数千万円のコストと年間数百万円の維持費用が必要となるケースがあります。

規模の大きい浄化槽を設置する場合は掘削工事や基礎工事が高額になる場合もあり、経済性のない設備投資が負担になってしまう場合もあります。

このような場合は、無理に各グランピングサイトにトイレや入浴設備、厨房設備を設けず、集合型で浄化槽のサイズをコントロールする必要があります。浄化槽の処理能力は設備の数や定員数に関係があり、旅館業を認可する保健所との協議がポイントとなります。

また稀に水質汚濁防止に関して、環境事務所が権限を有している自治体もありますので、事前相談は早めに行くように心がけましょう。

敷地が広大で各サイトのプライベート感を重視し、点在させたい場合でも配管が長くなりがちで電気工事や給排水工事の費用が高額にならないよう注意が必要です。

工事費予算を概算でイメージしておき、その予算に収まるゾーニング計画をイメージしながら行うことがポイントです。

8億円のキャンプ場再生計画では、給排水工事と浄化槽の設置工事で約1億円の予算がくまれており、開業予算を圧迫する原因になっていました。その他にも造成工事や森林伐採などが数千万円単位で提示されており、事業計画を根本から見直す必要に迫られたのだと思います。

同様のスペックのグランピング施設を開発したいのであれば、別の不動産物件を探すのが妥当な経営判断であろうと思います。

 

市街化調整区域の再建築不可の物件での事例

別のプロデュース業者による提案でハイリスクと感じた案件をご紹介します。

ご相談を受けた内容は、「ある大都市郊外の遊休資産化した保養所で宿泊施設を計画しているが、予算オーバーで行き詰っている」という内容でした。

この物件は木造建築で40年以上が経過しており、躯体の状況をみるとリノベーションはかなり高額になると容易に想像がつく物件でした。新築するにしても、市街化調整区域に該当するため、再建築の許可を得るのは難しく、くわえて物件への進入路にも問題があるため、宿泊事業を成立させるには相当の工夫が必要な案件です。

その状況下で、あるプロデュース事業者が提案した内容は「建物を約2億円投じてフルリノベーションし、ホテルに生まれ変わらせよう」という提案でした。2億円のリノベーション予算と一緒に提示された売上予算は年間約4,500万円。物件取得費に5,000万円かかっていますから、2億5千万円を投資して、年商4,500万円のホテル事業では、あまりにリスクが高すぎると言わざるを得ない状況でした。

 

プロデュース会社に 「自分だったら、この事業投資をやりますか?」と問うてみるべき

2億5千万円の投資額に対して年商予測が4,500万円なので、予想売上対投資額は18%になります。

ホテル建設では30%以下は危険な投資です。グランピングであれば、最低でも60%は確保したいところです。さきほどの事例の絵にかいた餅の売上計画では意味を成しませんが。

表面利回りとネット利回りの差が小さいレジデンスタイプの不動産であれば、18%はそこそこの数字ですが、ホテル運営には人件費や食材費、リネン費などが必要となります。

仮に運営が計画通りに進み、売上比で10%の最終利益を確保しても、銀行返済を考えれば、キャッシュフローはマイナスになるのは目に見えています。

しかも、市街化調整区域の不動産は買い手が少なく、リセール価格が安くなりますから、ホテル事業がうまくいかない場合、売却を検討することすら、ままなりません。

金融機関の借入で事業を行う場合は、売却損が出ることが予想されるため身動きとれない状況に陥り、かなりの確率で会社経営を圧迫することになるでしょう。

要はこのような事業シミュレーションを提示してくる時点で、このプロデュース会社は宿泊ビジネスや不動産の特性を理解していないか、高額な工事代金さえ回収できれば、後はどうなってもよいと考えているとしか思えないという結論です。

 

投資回収の早いグランピング事業で起死回生の突破口を探る

この保養所を所有するA社長は、上記提案にはリスクがあると察知され、グランピング施設としての可能性を探られています。

当該物件は調整区域でありながら風致地区の規制もあり、事業化は相当に難しいと感じています。再販が難しい物件ですから、事業予算は極力おさえる必要もあります。

土地面積は有効部分が限られており、サイト数は3~4か所、設置できればという状況でもあります。

ただ抜群の眺望を持つロケーションであり、少ないサイト数で高付加価値なグランピング事業が成立する可能性もあります。難解な案件を成立させるからこそ、プロデュース事業者としての価値も生まれるだろうという心意気で、引き続きこの案件に取り組みたいと考えています。

 

プロデュース会社・販売会社はグランピングテントの設置まで責任を持つべき

グランピング事業の検討段階でよく質問を受けるのが、テントの設置に建築確認が必要か否かという点です。

実際に土木事務所との協議が行われておらず、ドームテントの建築確認の要不要でトラブルになっている案件も耳にしています。

都道府県の土木事務所との事前協議は絶対に行っておく必要があります。

旅館業許可をもらう際、保健所は土木事務所や消防署に照会を行いますので、いずれにしても避けて通ることはできません。

ちなみに、テントであれば建築確認が要らないと勘違いしているプロデュース業者や、都道府県など行政によって異なるという曖昧な結論で逃れるプロデュース業者がありますが、いずれも正しくありません。

基本的にテントかどうかは建築確認の要不要には、関係ありません。この点はトレーラーハウスも同様です。

この建築確認申請の必要性有無については、あいまいな回答しかできないプロデュース会社ばかりですので、心配な方はお問合せください。

土木事務所の担当者に理解していただくポイントや説明の手順を間違わなければ、トラブルになることはありません。

 

グランピングプロデュース業者選びのポイント!集客ノウハウを熟知しているか

2016年、2017年に開業したグランピング施設は、当時はグランピング施設自体が珍しかったこともあり、テレビやWEBメディアに取り上げられやすく、「話題の施設」として認知され、集客は順調でした。

開業自体が話題にならなくなった2018年以降にオープンしたグランピング施設には、集客に苦戦している施設も散見されます。台風などの自然災害をきっかけに廃業してしまうグランピング施設も出てきているのが実情です。

2020年以降、グランピングの開業を検討されている方は、数年前の状況とは異なり、集客シナリオを事前に検証しておかないと、参入リスクは高いといえます。

プロデュース会社が予算化しているマーケティング費用や広告費の中身について、予算額の妥当性や成果性を確認する必要があります。

現時点でグランピング事業を運営している企業でインターネット広告を活用している事業者は1割程度です。それだけITを用いた集客には専門性が必要になるということです。

OTA(楽天トラベルやじゃらんnet)に掲載すれば予約が入ってくるという甘い予測では事業はうまくいきません。

プロデュース会社も施設整備は熱心ですが、開業後の集客に関しては無知な事業者が多いのが実情です。これはOTA内での集客ノウハウやメディア対策は実際の施設運営の中でしか知見が蓄積できないためです。

施設(コンセプトの見え方)と集客は密接な関係がありますが、ただ作っただけでは片手落ちで、今の時世では、ほぼユーザーに伝えたい情報を伝えることはできません。

イニシャル投資を膨大にかけても、ユーザーには伝わらない。

この課題解決ができる「インターネット集客やメディアプロモーションのノウハウが豊富で、事業予算の配分にも気を使えるプロデュース会社」が求められています。

 

OTAでグランピングの集客が思うようにできない理由

現在、宿泊業界では楽天トラベルやじゃらんnetなどのインターネット旅行代理店が圧倒的な力を持っています。旅行ジャンルの中でも、飛行機などの移動手段の予約経路と比較しても、宿泊施設の予約経路は圧倒的に代理店比率が高く、その領域の絶対王者が楽天トラベルやじゃらんnetなどのOTA(Online Travel Agent)と呼ばれるインターネットの旅行代理店です。

予約経路で代理店シェアが高かったのはインターネットが普及する以前からであり、JTBや日本旅行などリアルエージェントと呼ばれる事業者がそのセールスパワーを背景に旅館やホテルに対して圧倒的に強い立場にありました。このような歴史から、宿泊業界ではホテルや旅館が営業やマーケティング機能を自前で育成する環境が奪われ、ネットの普及が進むにつれ、今のネットエージェントの隆盛期を迎えることになりました。

楽天トラベルやじゃらんnetのシェアは高く、多くの旅館やホテルでは70%~80%の予約がOTA経由となっています。

このような状況下でグランピングは特異な成り立ちをしています。

まずは、関東で自前の集客力に実績がある星野リゾートが「星のや富士」を開業し、関西ではマーケティングに長けたカトープレジャーがGRAX(るり渓温泉)を開業、膨大な資金力を持つ延田グループがネスタリゾートを開業するなど、OTAを経由せずに集客できる事業者の参入が相次いだのが集客面でいうグランピングの特殊事情です。

その後に開業した滋賀県のグランエレメントや千葉県のザファームなどもOTAへの依存度が低い集客構造を持っています。

このように人気グランピング施設の多くが、OTAからの集客に力を入れていない状況もあり、「多くのグランピングユーザーが施設名で直接施設を探す」という構造が定着しつつあります。このような業界事情が、グランピングが大手OTA経由では売れにくい状況につながっているのです。

他にも、OTAの主要顧客である大型ホテルと比較して、グランピング施設の客室数は少ないため、サイト内で目立つ場所に掲載できないというOTA側の事情もあります。

当然ながらOTAも商売ですから、販売金額が多く手数料を稼ぎやすい大規模な宿泊施設を上位表示する仕組みになっています。このように、客室数に限りがあるグランピング施設がエリア内上位に表示されることは物理的に難しいということも、グランピングがOTAで売れない理由になっています。

 

OTAがあてにならない。実はこれは結構大きな難問です。

このような状況下なので、グランピング事業をプロデュースする立場の事業者に、集客面のサポートも期待してしまいがちですが、実際には期待しても難しいと言わざるを得ません。運営経験がないと肌感覚では理解できないテーマなのかもしれません。

 

グランピングプロデュース業者を選ぶポイント!オフシーズン対策のノウハウがあるか?

「土曜は予約が入るけど、他の曜日は厳しい」「夏のハイシーズンは良いが、冬季は厳しい」。

例外なく、すべてのグランピング運営事業者が抱えておられる悩みだと思います。

この「オフシーズンの集客」という課題は永遠に解決努力が求められるテーマかと思いますが、このテーマへの配慮、取り組み姿勢がプロデュース会社の姿勢に現れます。

実際に運営した立場から申し上げると、オフシーズン対策こそが全てです。

ハイシーズンの集客は難しくありません。夏場を意識したコンテンツへの過剰投資は禁物ですし、無駄な投資となりがちです。

ファミリーの喜ぶコンテンツも同様、過剰にならないように注意が必要です。ファミリー層は子どもが休みの土曜や祝日しか来場できませんから。

グランピング施設が立地している自然こそが最大のコンテンツであり、ハイシーズンで集客が見込めるタイミングに不必要なものを盛り込みすぎるプロデュース会社には注意が必要です。

薪ストーブを軸にしたグランピングプランの展開や雪中キャンプやイベントをコンテンツに取り入れ、成功している事例もわずかですが、存在しています。

また、冬場に快適なアウトドア体験を提供するためには、相応の投資が必要です。この投資や企画アイデアが事業の成否を分けるといっても過言ではありません。

弊社グループ施設のグランピング施設では、7月の売上高よりも、10月、11月の売上高が高くなっている成功事例もあります。自前で施設を運営しているからこそ、生み出しえた結果なのだと自負しています。

 

グランピングプロデュース業者を選ぶポイント!自然災害対応のノウハウがあるか?

グランピング施設は自然を体感することを第一義にしているため、気候条件や台風、積雪などのリスク対応を考えた施設づくりが大切です。

特に宿泊サイトにテントを活用する場合は、強風や積雪への対応を事前に検討しておかなければなりません。

また、物件選びでも土砂災害特別警戒区域などに該当する場合は、スタッフや宿泊客の人命にかかわる問題も生じかねませんので、より慎重な検討姿勢が求められます。

まず、テントの選定ですが、一般的には日本は多湿な場所が多いので、コットン生地はカビがすぐに生えてしまうため、一年ももちません。ロータスベルテントやベルテントでのグランピング運営はかなり厳しいのが実情です。ただまれにクリーニング業者で、テントのカバーを洗浄できる特殊な事業者も存在しますので、まめに洗浄できる体制が整うのであれば、イニシャルコストが安いコットン生地のテントを活用するのも一つです。

続いてドームテント。これは我々も試行錯誤で取り組んでいます。特に最近は風速50mを超えるような大型台風が頻繁に日本に上陸するため、根本的な風対策のあり方を研究しています。「強風対策としてドームテントを諦め、トレーラーハウスを採用する方針に切り替えた」というお話もお聞きしますが、集客力はドームテントの方が高いため、このあたりは風対策の精度を向上させ、安全な宿泊施設として展開できるよう努めるべきかと考えています。台風時の強風はある程度、どの方向から吹き込むか想像ができますので、テントの配置場所や風の抜け道に風よけを設置するような工夫も有効かもしれません。

ビニールハウスの倒壊事例に対する対策の研究発表もインターネットでは公開されていますので、参考になると思います。

また、損害保険で、営業補償付きの災害リスクをカバーできる商品も存在します。当社は現時点では加入していませんが、一緒にグランピング事業に取り組んでいる提携事業者様は保険に加入しておられます。プロデュース会社からテントなどの提案を受けられた際には、その強度や大型の台風が直撃する場合の対応は相談された方が良いと思います。

 

そもそもプロデュース会社の存在意義って何?

「プロデュース(英:Produce)」は“産出する”・“生産する”・“制作する”という意味。

グランピング施設を生み出すために資金拠出するのは、運営事業者です。大した根拠もなく、カラフルな提案書だけで高額なフィーを要求しているプロデュース会社の仕事が本来のプロデュースか甚だ疑問に思います。

多くのプロデュース会社がやっているのはプラニングの一部です。ビジネスのプラニングはできていない。海外のグランピング施設の画像を切り貼りしてプレゼンテーションするレベルであれば、情報提供屋の領域です。

情報提供に数千万円の価値があるでしょうか?

事業スタート後に提供される役務も明確ではないのに、開業後もフィーを要求するスタンスには疑問を感じざるを得ません。

グランピングのプロデュースと呼ばれる仕事への対価やその内容はいずれ妥当なラインが相場として固定すると思います。

我々も総投資額の一定割合を徴収するようなプライシングをしている設計士に何度か遭遇していますが、おおよそ、イニシャルコストが高くなった方がフィーに旨味があるような提案をしてくる専門家に仕事を依頼すると、まともな事業はできません。

事業の予算規模を膨らませることは、運営者の事業リスク上昇に直結することですから、慎重かつ真剣に回避策を考えなくてはなりません。様々な工夫をして、合理的な投資を計画することにこそ、専門家としての付加価値を見出すことができます。

事業を企画する立地や運営者の本業の運営状況、財務余力や資金調達の環境などから、投資のキャパシティを推察し、適切な事業サイズで最高のパフォーマンスを生み出せるグランピング施設を考えるスタンスが求められています。

グランピング施設に限らず、宿泊施設は設備の経年劣化だけでなく、人気の劣化も織り込む必要があります。大きな投資をしていろいろな課題や問題に向き合うのは運営者のあなたです。

プロデュース会社の選定に必要なポイントを列記しました。我々は実際に国内最多の11施設のグランピング施設の運営に関わっています。10ヵ所は完全な直営であり、自己投資でリスクをとっています。そのような立場だからこそ、いただくご相談にも真剣に対応するのです。

ビジネスですから、当然、フィーや手数料は存在するのが当たり前かと思います。

ただ、モノを収めることで利益を得るビジネスモデルや事業がスタートするまでに発生する企画費で成立するようなビジネスモデルの事業者は、最終的に運営者の立場を本当の意味で理解するのは難しいのかもしれません。

グランピング事業運営者の立場を理解し、パートナーとして長い期間、良好な関係が築けるプロデュース会社が増えることを願ってやみません。

我々もそのようなスタンスを貫ける事業者として、今後も努力を重ねていきたいと思います。