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グランピング開業事例①-ドッググランピング滋賀高島-

弊社が直営で運営するグランピング施設の開業までのプロセスをご紹介します。
今回ご紹介する施設は、滋賀県高島市に2020年7月開業したドッググランピング滋賀高島です。

 

1. コンセプトデザイン

犬を飼っている世帯は全体の約13%。「預けて旅行」から「一緒に旅行」へ飼い主ニーズの変化があります。ところが一緒に泊まれる宿が少ないのも事実。
そこで弊社ではワンちゃんと泊まれる「ドッググランピングシリーズ」を展開しており、2019年に開業したドッググランピング京都天橋立に続く2施設目を、京阪神や名古屋からもアクセスのよい滋賀県琵琶湖に計画しました。

 

2. 用地探し

開発責任者としてTが選ばれました。Tは開業後も運営責任者として赴任が決まっています。
田舎の土地がインターネットで紹介される事はほぼありません。
Tは自らハンドルを握り、候補となる用地探しを行いました。琵琶湖3周したそうです。
「売地」や「貸地」の立て看板が出ている所はもちろん、検討できそうな土地があれば、その所有者を調べ直接打診します。
最終的には10件の候補地をピックアップしました。

 

3. 行政への相談・確認

グランペディアで度々お伝えしている通り、グランピング施設開発においては、地元自治体との協議なしに進めることは出来ません。
最近は、行政と協議をしない、協議の重要性を認識していないグランピングプロデュース会社やグランピング施設も散見されるようですが、そのようなスタンスは決してお薦めできるもので無い事を書かせていただきます。

相談・確認する相手や流れについては、他の記事でも書いていますので、こちらをご確認下さい。

 

上記のプロセスを経て、開業可能と判断した現在の開業地(滋賀県高島市安曇川町)に決定、売買契約を締結しました。

弊社ではグランピング用地は原則として賃借をお薦めしていますが、地主様の意向もあるので、今回は購入することで決定しました。

 

4. 施設設計

購入した土地は約700坪、こちらに6棟と管理棟をレイアウトしました。
6棟は、それぞれ約100坪の専用庭(ドッグラン)付き。完全プライベート空間で家族と愛犬だけの時間を過ごしていただくようにしています。
レイアウト図面を下記に貼っておきますので、ご参考にどうぞ。

今回、1施設目のドッググランピング京都天橋立の課題より、定員2名の部屋を2棟、定員4名の部屋を4棟の構成にしました。天橋立は定員2名のみの施設です。
ご夫婦旅行だけでなく、お子さん連れの家族と愛犬の旅行ニーズに対応した形ですが、京都天橋立で使用したBESS社製のログハウスが2名仕様となるため、同じようなデザインの4名仕様の建物を自分たちで建てることにしました。
その分、初期投資額は増えますが、1施設目の経験より充分に回収可能と判断しました。

管理棟は、すぐ近くにオープンするグランドーム滋賀高島(3棟)との共用、合計9棟を管理することになります。

 

5. 事業計画

6棟の事業計画を組みました。
毎月の宿泊単価、稼働率はドッググランピング天橋立の実績を元に算定しています。
ドッググランピングは通常のグランピングと比較して、年間通して安定した宿泊が見込めます。
また滋賀高島の場合、京阪神だけでなく名古屋方面からの集客も見込めるので、京都天橋立と比べて商圏人口は多いと考えました。
ただし弊社の指向として、堅実な予算組みを行います。今回は6棟で年商約1億円としました。ちなみに2020年7月以降、いずれの月も売上予算をクリアしています。

上記の売上を元にした利益計画。
税引き前利益の2年分以内が、弊社が考える初期投資金額の目安。
今回の初期投資予算を1億円に設定しました。

 

6. 設計施工

設計、施工管理は、弊社グランピング施設で多く実績のある設計士さんへお願いをしました。
こちらの意を汲んでいただき、限られた予算の中で最適なプランを設計、コスト管理をしてもらえるので、いつも助かっています。
ともすると設計士さんの考えが前面に出すぎると、予算オーバーしたり、利用者や事業者のニーズと乖離したりする傾向がある中、良好な関係を築けています。
工期は3月に着工、6月末に引渡が完了、7月下旬にオープンしています。

 

7. 人材採用と教育

今回はグランドーム滋賀高島も含めて9棟の管理、滋賀県初の出店ということもあり、いつもよりは人員は厚めで管理者T以外に社員2名とアルバイト1名を現地採用しました。
2ヶ月間の募集期間中に、合計30名の応募がありました。
グランピング施設の募集ということで、若い人を中心に多くの方に関心を持ってもらえます。
また夏休み期間中は忙しくなるので、学生の短期アルバイトを別に採用しました。

弊社運営の施設は、社員・アルバイトに関係なくマルチタスクです。
そのあたりの思想や作業の進め方は、既存グランピング施設に研修派遣、開業前に実地トレーニングを積んで身体に沁み込ませます。

 

8. 食事メニューの開発

食事は地元の特産品を使ったBBQメニューを開発しました。
直営レストランのスタッフが中心となり開発を担当、セントラルキッチンで調理・冷凍された状態で施設に納品します。
お肉屋やお野菜は、地元の業者さんより直接購入。
この時は、地主様より地元の有力事業者を紹介いただきました。
グランピングは、地域に入り込み、地元事業者と連携、協力を仰ぎながら進める事業です。

現在のドッググランピング滋賀高島の地元食材を使ったBBQメニューはこちらです。
BBQメニューは季節やお客様からのお声を受けて、都度変更を加えていきます。

近江牛ステーキ
骨付ポークステーキ
ビワマスのハーブ焼き
高島名物とんちゃん焼き
地元産野菜のガーリックチーズグラタン
バケット
デザート

 

9. 集客プラン

弊社が直営、およびプロデュースする施設は集客面で圧倒的に強みを発揮します。
強さの秘訣は、制作スタッフを内部に抱え、季節や課題にあわせてスピーディーにサイトを更新すること、またグランピング専用予約サイトであるリゾートグランピングドットコムはじめ50に迫るグランピング関連のサイトが互いにリンクして、相互に送客をしあっています。

今回も工事完成前の6月時点で公式サイトをアップ、この時は施設が完成していないため、パース図面での案内、先行予約の開始でしたが、同時に関西ローカルで放映したテレビコマーシャルの効果もあり、オープン1か月前の段階で既に夏休みの予約はほぼ埋まっていました。

 

最後に

今回は「愛犬と泊まれるグランピング」の開発事例をご紹介しました。

弊社では、不動産デベロッパー様や建築会社様、設計事務所様が、クライアントや自治体の遊休地活用やグランピングの企画開発をされる際、提案段階からプロジェクトに参画し、協力をさせて頂いています。

直営施設およびプロデュース施設で多くの実績があり、企画プロデュースから開業後の運営委託、集客プロモーションまで一貫したサポートができる弊社は信頼できるパートナーとして一定の評価を頂いています。
またプロデュース、コンサルティングフィーは頂戴せず、開業後の成功報酬にてご支援しているのも使い勝手の良い所かと思います。

 

★弊社の支援スタイル

 

 

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